MLBの「サイ・ヤング賞」は、世界最高峰の投手が選ばれる権威ある賞です!
1956年に創設され、数多くのMLB記録を持つ伝説の投手:サイ・ヤングを称えて制定されました!
近年はデータ分析の進化により評価基準が大きく変化しており、WARやK/BBなどの指標が受賞に直結する時代へと移り変わってきています!
本記事ではサイ・ヤング賞の選考基準・歴代受賞者をわかりやすく解説していきます!
- サイ・ヤング賞の選考基準
- 歴代の受賞者
サイ・ヤング賞とは
「サイ・ヤング賞」は、MLBでその年に最も優れた投手に贈られる最高峰の栄誉で、1956年に創設されました!
この賞は、通算511勝、完投749、防御率3.04など数多くのMLB記録を持つ伝説の投手サイ・ヤング(本名:デントン・トゥルー・ヤング)を称えるために制定されたものです!
当初はメジャー全体から1名のみの選出でしたが、1967年からはア・リーグとナ・リーグで各1名ずつ選ばれる形式になりました!
サイ・ヤング賞は、毎年ポストシーズン後の11月にBBWAA記者の投票結果として発表されます!
サイ・ヤングとはどんな投手?
サイ・ヤングは1890〜1911年に活躍し、511勝を含む多数の不滅記録を保持する「史上最も勝った投手」です!
完全試合、ノーヒッター2回など偉業も多く、今なお投手の象徴的存在として語り継がれています!
沢村賞との違い
日本プロ野球の「沢村賞」は1947年に創設された投手賞で、対象を先発完投型の投手に限定しています!
「沢村賞」もその年の最優秀投手賞ですが、性質は大きく異なります。
| 賞名 | 対象 | 選考基準 |
| サイ・ヤング賞 | 先発・救援すべての投手 | BBWAA記者の投票による総合評価 |
| 沢村賞 | 先発投手限定 | 投球回、防御率、完投数など 明確な数値基準に基づく選考 |

MLBは分業制の発達により「内容と支配力」を重視する傾向が強いです。
サイ・ヤング賞の選考基準
サイ・ヤング賞の選考基準について解説していきます!
投票方式
サイ・ヤング賞は、全米野球記者協会(BBWAA)の各リーグ約30名、計60名の記者による投票で決定されます!
記者は1~5位を投票し、1位7点・2位4点・3位3点・4位2点・5位1点の配点で集計され、最終得点が最も高い投手が受賞します!
投票内容はすべて公開され、透明性が確保されている点も特徴です!
重視される成績・評価項目
公式な選考基準は存在しませんが、歴代の傾向から“暗黙の条件”が明確になっています!
最も重要な項目は、規定投球回の到達と防御率(ERA)だと考えられています!
さらに、WHIP・FIP・奪三振率・K-BB%・WARなど、投手の「支配力」と「実力」を測る指標が重視されます!
勝利数はかつて重要指標でしたが、近年は「チーム力に左右される」として優先度が低下しています。
- ERA(防御率):9イニングあたりの失点率、失点をどれだけ防いだかの指標
- FIP:守備の影響を除いた投球内容、「運」に左右されない投球質を測る
- WAR(勝利貢献度):チームへの総合的な貢献度、投手の“価値”を総合的に示す
- WHIP:1イニングあたりの走者許容数、安定感と制球力の指標
- K-BB%:奪三振率−与四球率、支配力と制球力を評価する指標
選考基準をめぐる議論
長らく「勝利数重視」だった選考は、現在ではよりデータを重視した評価へ移行したと議論されています!
とくに近年は、ERA(防御率)よりも「FIPやK-BB%で示される投手本人の純粋な能力」を重視する流れが強まり、投票の価値観が大きく変化しています!
また、先発投手が有利な構造のため、リリーフ投手が受賞するには歴史的な圧倒的成績が必要である点も、毎年議論される論点です。

リリーフ投手の受賞者は数えるほどしかおらず、実質先発投手の賞となっています。
歴代受賞者
ア・リーグとナ・リーグから1名ずつ選ばれる現行方式(1967年〜)では、近年はデータを重視した選出傾向が強まっています!
歴代受賞者(過去10年)を整理しました!
ナショナルリーグ
| 年度 | 受賞選手 | 所属球団 | 勝利 | 防御率 | 奪三振 |
| 2015 | ジェイク・アリエータ | シカゴ・カブス | 22 | 1.77 | 236 |
| 2016 | マックス・シャーザー | ワシントン・ナショナルズ | 20 | 2.96 | 284 |
| 2017 | マックス・シャーザー | ワシントン・ナショナルズ | 16 | 2.51 | 268 |
| 2018 | ジェイコブ・デグロム | ニューヨーク・メッツ | 10 | 1.70 | 269 |
| 2019 | ジェイコブ・デグロム | ニューヨーク・メッツ | 11 | 2.43 | 255 |
| 2020 | トレバー・バウアー | シンシナティ・レッズ | 5 | 1.73 | 100 |
| 2021 | コービン・バーンズ | ミルウォーキー・ブルワーズ | 11 | 2.43 | 234 |
| 2022 | サンディ・アルカンタラ | マイアミ・マーリンズ | 14 | 2.28 | 207 |
| 2023 | ブレイク・スネル | サンディエゴ・パドレス | 14 | 2.25 | 234 |
| 2024 | クリス・セール | アトランタ・ブレーブス | 18 | 2.38 | 225 |
| 2025 | ポール・スキーンズ | ピッツバーグ・パイレーツ | 10 | 1.97 | 216 |
アメリカンリーグ
| 年度 | 受賞選手 | 所属球団 | 勝利 | 防御率 | 奪三振 |
| 2015 | ダラス・カイケル | ヒューストン・アストロズ | 20 | 2.48 | 216 |
| 2016 | リック・ポーセロ | ボストン・レッドソックス | 22 | 3.15 | 189 |
| 2017 | コーリー・クルーバー | クリーブランド・インディアンス | 18 | 2.25 | 265 |
| 2018 | ブレイク・スネル | タンパベイ・レイズ | 21 | 1.89 | 221 |
| 2019 | ジャスティン・バーランダー | ヒューストン・アストロズ | 21 | 2.58 | 300 |
| 2020 | シェーン・ビーバー | クリーブランド・インディアンス | 8 | 1.63 | 122 |
| 2021 | ロビー・レイ | トロント・ブルージェイズ | 13 | 2.84 | 248 |
| 2022 | ジャスティン・バーランダー | ヒューストン・アストロズ | 18 | 1.75 | 185 |
| 2023 | ゲリット・コール | ニューヨーク・ヤンキース | 15 | 2.63 | 222 |
| 2024 | タリック・スクーバル | デトロイト・タイガース | 18 | 2.39 | 228 |
| 2025 | タリック・スクーバル | デトロイト・タイガース | 13 | 2.21 | 241 |
歴代最多受賞者と記録
最多受賞はロジャー・クレメンスの7回です!
続くのはランディ・ジョンソンの5回、スティーブ・カールトンとグレッグ・マダックスの4回です!
またマダックスとジョンソンは4年連続受賞という前人未到の快挙を残しています。
日本人選手の受賞者
候補入りした日本人選手
日本人選手でサイ・ヤング賞受賞者はまだいません!
しかし、これまで複数回、最終候補として名前を連ねています!
特にダルビッシュ有投手(2013年ア・リーグ2位/93点、2020年ナ・リーグ2位/123点) は通算4度の得票を記録し、最も受賞に近づいています!
他にも、野茂英雄投手(1995・1996年4位)、松坂大輔投手(2008年4位)、岩隈久志投手(2013年3位)、前田健太投手(2020年2位)、大谷翔平投手(2022年4位)など、多くの投手がランクインしています!
日本人選手受賞の可能性
今後、サイ・ヤング賞の受賞に近いと思われる日本人投手を紹介します!
- 山本由伸投手
- MLB初年度から高い評価を受け、K/BBやFIPなどアナリティクス指標で強みを発揮しています!
- 2025年もナ・リーグ3位にランクインしています!
- 大谷翔平投手
- 二刀流ゆえ投球回が不足しがちですが、160〜180回を投げられれば一気に最有力候補に浮上が見込まれます!
- ERA2点台を記録したシーズンもあり、条件さえ整えば史上初の二刀流受賞の可能性があります。
- 今永昇太投手
- 被本塁打率の低さと制球力が持ち味で、イニングを積み上げられれば候補圏内に十分入ってくるでしょう!
- 2024年にはナ・リーグ5位にランクインしています!

データによって評価される現代では、日本人初のサイ・ヤング賞受賞は決して遠い未来ではないと言えるでしょう。
まとめ
今回は、MLBの「サイ・ヤング賞」について以下を中心に紹介してきました!
- サイ・ヤング賞の選考基準
- 歴代の受賞者
MLBのサイ・ヤング賞は、各リーグで最も優れた投手に贈られる、投手にとって最高峰の栄誉であり、評価基準も時代とともに変化しています。
歴代ではクレメンスやランディ・ジョンソンが受賞回数を重ね、近年は指標重視の流れからK/BBやWARが重要視される傾向です。
日本人投手もダルビッシュ投手や前田投手が2位に迫る活躍を見せ、大谷翔平投手や山本由伸投手など、今後受賞を狙える選手も増えています。
サイ・ヤング賞の歴史と最新傾向を知ることで、これからの投手評価の流れと選手の魅力をより深く理解できるでしょう。
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。




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