「ポスティングシステム」とは、日本のプロ野球選手が海外FA権を持たない場合でも、所属球団の承認を得てMLB球団と交渉できる移籍制度です!
複数球団と交渉でき、譲渡金が契約総額に応じて支払われます!
選手の海外挑戦の機会を拡大し、日本球団にも対価を残す仕組みとして広く利用されています。
本記事では、ポスティングシステムの仕組みや利用した選手の代表例を分かりやすく解説していきます!
ポスティングシステムについて詳しく知ることで、メジャーへ挑戦する選手がどのチームへ移籍するのかをより楽しむことができます!
- ポスティングシステムの仕組み
- 利用した選手の代表例
ポスティングシステムとは?
概要
ポスティングシステムは、プロ野球の移籍システムの1つで入札制度と呼ばれたりもします!
海外FA権を持たない選手が、海外リーグへの移籍を希望した時に使われるシステムです。
ただし、所属球団の承認を得ることが必要となっています!
導入経緯は以下のとおりで、背景としてMLBから球団間での獲得機会均等を実現する制度を要求されたことがあります。
- 1998年封印入札方式(1球団のみ交渉)
「日米間選手契約に関する協定」が調印されポスティングシステムが成立。
金額非公開で入札を行い、最高額提示球団が交渉権を得る方式を採用。 - 2013年複数球団との交渉可能へ
現所属球団側が譲渡金額を定めたうえで、選手側が自由交渉する制度に改正
- 2018年譲渡金の契約総額連動型へ
移籍先での契約金額によって譲渡金額が変動する制度に変更

入札方式では、1つの球団としか交渉できませんでしたが、2013年の改正後は獲得を希望するすべての球団が選手と交渉できるようになりました!
ポスティングシステムの仕組み
ポスティングシステムの仕組みを、手続きの流れと具体的なルールに分けて紹介します!
手続きの流れ
現行制度(2025年時点)における、移籍までの手続きの流れは以下のとおりです。


申請するタイミングは、選手や所属球団によって異なるため、交渉期限も異なってきます!
具体的なルール
ポスティングシステムの具体的なルールは以下のとおりです。
交渉期間
MLB球団と選手の交渉期間は、MLB機構がポスティング申請を受理・公示した翌日から45日間です!
期間中に契約合意に至らなかった場合は、日本に残ることになります。
譲渡金
譲渡金とは契約合意後に、MLB球団から所属球団に支払われるお金のことです!
2018年から契約金の総額で変動する形に変わりました。
- メジャー契約の場合
| 契約総額 | 譲渡金 |
|---|---|
| $2,500万以下 | 契約総額の20% |
| $2,500万~5,000万以下 | $2,500万の20% +$2,500万を超過した分の17.5% |
| $5,000万超 | 上記(20%+17.5%) +$5,000万を超過した分の15% |
- マイナー契約の場合
- 契約総額の25%

現行制度では大型契約を勝ち取るほど、所属球団に支払われる金額が大きくなります!
FA制度との違い
MLBへ移籍する方法には海外FAがあります!
1軍に選手登録された期間が9年に達すると取得することができます!
- ポスティングシステム:球団主導(承認が必要)
- FA制度(海外FA):選手主導(自由に交渉可能)
海外FAとポスティングシステムの違いは以下のとおりです!
| 項目 | ポスティングシステム | FA制度(海外FA) |
|---|---|---|
| 移籍の主導権 | 球団 | 選手 |
| 球団の承認 | 必須 | 不要 |
| 取得条件 | FA権なしでも可能 | 規定年数が必要 |
| MLB球団との交渉 | 45日間 | 期間制限なし |
| 日本球団への金銭 | 譲渡金あり | 原則なし |
| 若手選手の利用 | 可能 | 不可 |

若手選手が早期にMLBに挑戦するためにはポスティングを利用する必要があります!
ポスティングシステムのメリット・デメリット
ポスティングシステムには、選手・球団それぞれにメリット・デメリットがあります!
メリット
- 選手側のメリット
- FA取得前でもMLBに挑戦できる(若くして世界最高峰に挑戦できる)
- 全盛期の年齢でメジャーに行ける
- 評価が高ければ大型契約につながる
- 球団側のメリット
- 選手移籍時に譲渡金(リリースフィー)を得られる
- 完全な無償流出を防げる
- 球団の育成力・ブランド価値向上
デメリット
- 選手側のデメリット
- 球団が認めなければ利用できない
- 交渉期間(45日)に制限がある
- 契約不成立の場合、国内残留となる
- 球団側のデメリット
- 主力選手の戦力流出
- ファン離れのリスク
- タイミング次第で戦力編成に影響
制度上の制約
25歳未満・NPB在籍6年未満の選手は25歳ルールの適用対象となります!
国際ボーナスプール制限の対象となり、結果として契約金が抑えられる場合があります!
ポスティングシステム選手例
ポスティングシステムを利用してメジャーへ移籍した選手例を紹介していきます!
- イチロー選手
- オリックス・ブルーウェーブ → シアトル・マリナーズ
- 2000年に日本人選手で初めてポスティングシステムを利用してメジャーへ移籍
- 封印入札方式だった当時の落札金額は、1312万5000ドル(約14億4400万円)
- ダルビッシュ有選手
- 北海道日本ハムファイターズ → テキサス・レンジャーズ
- 2011年に利用し、譲渡金は5170万3411ドル(約76億8000万円)
- 大谷翔平選手
- 北海道日本ハムファイターズ → ロサンゼルス・エンゼルス
- 2017年に利用し、譲渡金は231万5千ドル(約2億6千万円)
- 移籍時点で23歳だったため、MLBの25歳ルールによりマイナー契約かつ契約金に制限が設けられていました
- 山本由伸選手
- オリックス・バファローズ → ロサンゼルス・ドジャース
- 2023年に利用し、譲渡金は5062万5000ドル(約72億円)
2025年オフ ポスティング申請選手
| 選手名 | 所属 | 移籍先 | 契約内容 | 譲渡金 | |
| 高橋 光成 | 投手 | 西武 | 契約合意球団なし | ||
| 岡本 和真 | 内野手 | 巨人 | ブルージェイズ | 4年 $6,000万 | $10,875,000 |
| 今井 達也 | 投手 | 西武 | アストロズ | 3年 $5,400万 | $9,975,000 |
| 村上 宗隆 | 内野手 | ヤクルト | ホワイトソックス | 2年 $3,400万 | $6,575,000 |
よくある質問(FAQ)
- QポスティングシステムとFA制度の違いは?
- A
最大の違いは「移籍の主導権」にあります。
ポスティングシステムは、選手が希望しても所属球団の承認がなければ利用できません。一方、海外FA制度は一定年数を満たせば、選手が自由にMLB球団と交渉できます。
若いうちにMLB挑戦が可能なのがポスティング、完全な自由移籍がFA制度です。
- Qポスティング申請は誰ができる?
- A
申請できるのは所属球団のみです。
選手本人が直接申請することはできず、球団が承認しなければ実行されません。
- Q契約が成立しなかった場合は?
- A
選手は元の球団に残留します。
交渉期間(45日)内に契約がまとまらなければ、移籍は成立せず譲渡金も発生しません。
- Q譲渡金はどのように計算される?
- A
MLBとの契約総額に応じて段階的に決まります。
契約金額が高いほど、日本球団に支払われる譲渡金も増える仕組みです。
- Qポスティングを認めない球団はある?
- A
あります。
主力選手である場合やチーム事情によって、球団が申請を認めないケースもあります。
まとめ
今回は、ポスティングシステムについて以下の点を中心に解説してきました!
- ポスティングシステムの概要・仕組み
- ポスティングシステムを利用した選手例
海外FA権の取得を待たずにメジャーへ挑戦することができ、所属球団に譲渡金を残せることから今後も利用する選手が増えていくことが考えられます。
ただ、以下のような課題は残っているので、今後改定があるかもしれません。
- MLBの25歳ルールの影響で、25歳未満のポスティングシステムの利用を許可する球団が少なくなってしまう
- 移籍したもののメジャー在籍期間が短く、日本球界に復帰する際のルールが無い
- 日本球界の有力な選手が、メジャーへ流出しやすくなる
- 利用自体を認めていない球団もあり、足並みが揃っていない
今後もどのような選手がメジャーへ挑戦するためにポスティングシステムを利用するのか楽しみですね!
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。






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