MLBで導入された「ピッチコム」は、投手と捕手が電子機器を使ってサインを伝達する最新技術です!
サイン盗み防止や試合時間の短縮を目的に導入されたこのシステムは、野球にどのような影響をもたらすのか注目を集めています!
近年ではピッチクロックとの併用も進み、野球界の新たな標準になりつつあります!
本記事では、ピッチコムの仕組みやメリット、日本での導入状況も含めて詳しく解説します!
- ピッチコムの概要
- ピッチコムによる影響
ピッチコムとは
導入背景・目的
ピッチコムとは、投手と捕手のサイン交換を電子的に行うための機器です!
従来の指でのサインに代わり、音声を通じて球種やコースを伝えることができるこのシステムは、2022年のMLB(メジャーリーグ)から正式に導入されました!
2023年には投手からのサイン送信も可能になりました!
ピッチコム導入の主な目的は以下の2点です。
- サイン盗みの防止
- MLBでは2017年に、ヒューストン・アストロズによる組織的なサイン盗みが発覚し、大問題となり対策が必要となり導入されました。
- ピッチコムの音声通信による仕組みにより、外部からの解析や盗聴が極めて困難となり、不正のリスクを大幅に軽減できます。
- 試合時間の短縮
- サイン交換を効率化することで、試合のテンポが向上します。
- 特に2023年から導入されたピッチクロック(制限時間内に投球するルール)の影響で必須のツールとなってきており、時間短縮とスムーズな進行に貢献しています。
ピッチコムの仕組みと装着位置
ピッチコムは以下の2種類の機器で構成されます!
- 送信機(トランスミッター)
- 捕手や投手が使用。
- リストバンド型で、9つのボタンが付いており、球種やコースを選んで入力する。
- 受信機(レシーバー)
- 投手、捕手、最大3名の野手(主に内野の二遊間や中堅手)が装着。
- 帽子のつばの内側・耳のすぐ上に設置され、音声でサインを受け取る。
ピッチコムの使い方と実際の運用
操作方法
ピッチコムは、ボタン操作で球種やコースを伝達します!
ピッチコムの送信機には9つのボタンがあり、1回目の押下で球種、2回目でコースを伝える仕様です。

例えば「3番のボタン → 4番のボタン」と押せば、「カーブ、内角低め」といった音声が受信側に届きます。
サインの内容は音声で再生されるため視認性に依存せず、言語も英語・日本語など複数対応しています。
慣れてきた選手はボタン配置を暗記し、スムーズに操作しています。
投手と捕手のやり取りの流れ
基本的には捕手が送信機を操作し、サインを出しますが、近年は投手自らが送信するケースも増加しています。
送信者が操作すると、投手・捕手・野手(最大3人)の受信機から即座に音声で指示が再生され、スムーズにプレーへ移行できます。
捕手が提案し、投手が首を振って再提案というやり取りが不要になり、試合のテンポ向上にも貢献しています。
ルール
ピッチコムには、装着できる選手に決まりがあります!
- 送信機
- 投手または捕手のどちらか1人だけが装着可能。
- 受信機
- 投手・捕手以外に最大3人の野手も装着可能。
- 一般的にはサインプレーが多いセカンド・ショート・センターなどのセンターラインの選手が付ける。
- 装着場所
- 送信機は利き腕と反対側の腕や捕手の膝(レガース)など、操作しやすい部位に付ける。
- 受信機は帽子の内側(耳元)に設置され、聞き取りやすい構造になっている。
ピッチコムのメリット
- 試合のテンポ向上と時間短縮
- サイン交換が迅速になり、ピッチクロックにも対応しやすくなります。
- 従来のような複雑なサインや確認作業が不要となるため、試合全体のテンポも向上する。
- サイン盗みの防止
- サインが暗号化された音声で送られるため、視覚的なサイン盗みのリスクが激減。
- 2塁ランナーへの偽サインなどの必要もなくなり、不正対策として非常に有効。
- プレーへの集中と国際対応
- 音声指示でサインが伝わるため、視力の影響を受けにくく、サインを覚える負担も軽減。
- 日本語や英語など多言語対応により、外国人選手も自国語でプレーに集中でき、意思疎通も容易になる。
一方で、ピッチコムは電子機器であるため、故障や通信エラーが発生する可能性もあります。
また、ピッチコムの操作に慣れる時間も必要になってきます!

音声が聞こえない・聞こえにくいなどのトラブルでピッチクロック違反となるケースも出ています!
今後の展望と影響
日本での導入状況
日本のプロ野球では、ピッチコムは2025年シーズン時点で導入されていません!
NPBではまだピッチコム導入の議論は本格化していませんが、MLBの動向を追う形で将来的に導入される可能性が高いと考えられます!
これまでにも「コリジョンルール」や「ドラフト制度」などMLBの制度を後追いで導入してきた歴史があり、ピッチコムも例外ではないと思われます。
試合時間短縮はNPBでも大きな課題であり、MLBでピッチコム導入後に平均28分の時短効果が出たことは導入の後押しになり得ます。

コスト面や機器の信頼性などが導入に向けた課題もあります。
国際大会への影響
WBCやプレミア12などの国際大会ではピッチクロックの導入が進んでおり、それに伴いピッチコムの使用も増える可能性があります!
MLBの選手はすでに使用経験があり、今後は国際大会での標準装備になる可能性があります。
まとめ
今回は、ピッチコムについて以下を中心に紹介してきました!
- ピッチコムの概要
- ピッチコムによる影響
ピッチコムは、MLBで導入が進んだことで今後ますます注目される技術です!
サインの伝達効率が上がり、試合のテンポも改善される一方、機械への依存や運用ミスといった課題も残されています。
日本球界での普及はまだこれからですが、近い将来、スタンダードになる日も遠くないかもしれません!
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。
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