日本プロ野球では、毎年シーズン終了後に選手の活躍を称える多くの個人タイトルが発表されます!
首位打者やホームラン王といった打撃タイトルをはじめ、ゴールデングラブ賞のような守備面の表彰もあります!
これらのタイトルは選手の努力と技術の証であり、ファンの間でも話題になる重要な要素です!
本記事では、野手が狙える主なタイトルについてわかりやすく解説していきます!
- 野手部門のタイトル
- 歴代の受賞者
- 歴代最高記録
プロ野球 野手タイトルとは
日本プロ野球(NPB)では、シーズン中に最も優れた成績を残した選手に「個人タイトル」が与えられます!
その中でも野手(打者)は、打撃・走塁・守備の各分野でさまざまなタイトルを狙うことができます!
野手の中で最も注目度が高いのが「打撃タイトル」です!
代表的なものには、首位打者(打率1位)、本塁打王、打点王の3つがあり、これらをすべて同時に獲得すると「三冠王」と呼ばれます!
その他にも、最高出塁率、最多安打など、打撃の質や安定感を表すタイトルもあります。
走塁に関する代表的なタイトルは、盗塁王です!
スピードと判断力を兼ね備えた選手が獲得し、試合の流れを変える存在として重要視されます。
守備部門では、ベストナインとゴールデングラブ賞の2つが代表的です!
ベストナインは、ポジションごとにシーズンを通して最も優れた選手を記者投票で選出します。
一方、ゴールデングラブ賞は守備技術に特化しており、同じく記者投票によって選ばれます。
この2つの賞は重複受賞も可能で、攻守両面で高く評価される選手が栄冠を手にします。
ベストナインとゴールデングラブ賞の詳細は以下の記事で解説しています!


投手タイトルとの違いとしては、投手が「防御率」「最多勝」「最優秀中継ぎ」など、投球成績中心で評価されるのに対し、野手は攻撃面での貢献度と守備・走塁でのチーム支援力が問われます。

近年ではタイトルではないですが「OPS(出塁率+長打率)」などの総合指標も注目されています!
野手タイトル一覧
野手が目指す主要な打撃タイトルとして「首位打者」「最多安打」「本塁打王(ホームラン王)」「打点王」「最高出塁率」「盗塁王」の6つが設けられています!
以下で各タイトルの概要と獲得条件を紹介します!
首位打者
シーズン終了時点で最も高い打率を記録した選手に与えられます!
- 算出方法:打率は「安打数 ÷ 打数」
- 条件:規定打席(チーム試合数×3.1)に達していること
※2025年現在では、143試合制のため443打席以上が必要 - 賞金:100万円
- 規定打席未満の選手でも、不足分を凡打として換算した打率が1位を上回れば「認定首位打者」として受賞できます。

代表的な選手はイチロー氏で、1994年から7年連続首位打者を達成しました。
最多本塁打(ホームラン王)
シーズンを通じて最も多く本塁打を放った選手に与えられます!
- 条件:特になし(規定打席に達していなくても受賞可能)
- 賞金:100万円
- 実際に規定打席未到達で受賞した例は、2012年のウラディミール・バレンティン選手(ヤクルト)のみ。
最多打点(打点王)
シーズンで最も多くの打点を記録した選手に贈られる賞です!
- 条件:特になし(規定打席に達していなくても受賞可能)
- 賞金:100万円
- 打点は「走者をホームに返す打撃」であり、チーム勝利に直結する指標です。
- 首位打者・本塁打王と並ぶ主要3タイトルの一つで、3つすべてを同時に獲得すると「三冠王」と呼ばれます。

三冠王は野手の最高栄誉であり、NPB史上でもごくわずかの選手しか達成していません。
最多安打
1シーズンで最も多くのヒットを放った選手に与えられるタイトルです!
- 条件:特になし(規定打席に達していなくても受賞可能)
- 賞金:100万円
- 1994年にイチロー氏が史上初の200安打を達成したことをきっかけに誕生しました。
- 純粋にヒット数の多さで競われます。
最高出塁率
最も出塁率の高い選手に与えられるタイトルです!
- 算出方法:出塁率は「(安打+四球+死球) ÷ (打数+四球+死球+犠飛)」
- 条件:規定打席(チーム試合数×3.1)に達していること
- 賞金:100万円
- ヒットだけでなく、四球を選ぶ選球眼や粘り強さも重要となるタイトルです。
- 出塁率はチームの得点力に直結するため、現代野球では非常に重視されています。
最多盗塁(盗塁王)
1シーズンで最も多くの盗塁を記録した選手に与えられます!
- 条件:特になし(代走がメインの選手でも受賞可能)
- 賞金:100万円
- 同数の場合は複数受賞となります。
歴代受賞者・歴代最高記録
各野手タイトルの歴代受賞者(過去10年)と歴代最高記録を整理しました!
首位打者
歴代受賞者(過去10年)
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 所属球団 | 打率 | 選手名 | 所属球団 | 打率 | |
2016 | 坂本勇人 | 巨人 | .344 | 角中勝也 | ロッテ | .339 |
2017 | 宮﨑敏郎 | DeNA | .323 | 秋山翔吾 | 西武 | .322 |
2018 | D.ビシエド | 中日 | .348 | 柳田悠岐 | ソフトバンク | .352 |
2019 | 鈴木誠也 | 広島 | .335 | 森友哉 | 西武 | .329 |
2020 | 佐野恵太 | DeNA | .328 | 吉田正尚 | オリックス | .350 |
2021 | 鈴木誠也 | 広島 | .317 | 吉田正尚 | オリックス | .339 |
2022 | 村上宗隆 | ヤクルト | .318 | 松本剛 | 日本ハム | .347 |
2023 | 宮﨑敏郎 | DeNA | .326 | 頓宮裕真 | オリックス | .307 |
2024 | T.オースティン | DeNA | .316 | 近藤健介 | ソフトバンク | .314 |
2025 | 小園海斗 | 広島 | .309 | 牧原大成 | ソフトバンク | .304 |
過去最高記録
リーグ | 年度 | 選手名 | 所属球団 | 打率 |
---|---|---|---|---|
セ・リーグ | 1986 | R.バース | 阪神タイガース | .389(歴代最高) |
パ・リーグ | 2000 | イチロー | オリックス・ブルーウェーブ | .387 |

近年は投高打低の傾向から、首位打者でも3割前半の打率となっています。
最多本塁打(ホームラン王)
歴代受賞者(過去10年)
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 所属球団 | 本塁打数 | 選手名 | 所属球団 | 本塁打数 | |
2016 | 筒香嘉智 | DeNA | 44 | B.レアード | 日本ハム | 39 |
2017 | A.ゲレーロ | 中日 | 35 | A.デスパイネ | ソフトバンク | 35 |
2018 | N.ソト | DeNA | 41 | 山川穂高 | 西武 | 47 |
2019 | N.ソト | DeNA | 43 | 山川穂高 | 西武 | 43 |
2020 | 岡本和真 | 巨人 | 31 | 浅村栄斗 | 楽天 | 32 |
2021 | 岡本和真 | 巨人 | 39 | 杉本裕太郎 | オリックス | 32 |
村上宗隆 | ヤクルト | |||||
2022 | 村上宗隆 | ヤクルト | 56 | 山川穂高 | 西武 | 41 |
2023 | 岡本和真 | 巨人 | 41 | G.ポランコ | ロッテ | 26 |
近藤健介 | ソフトバンク | |||||
浅村栄斗 | 楽天 | |||||
2024 | 村上宗隆 | ヤクルト | 33 | 山川穂高 | ソフトバンク | 34 |
2025 | 佐藤輝明 | 阪神 | 40 | F.レイエス | 日本ハム | 32 |
過去最高記録
リーグ | 年度 | 選手名 | 所属球団 | 本塁打数 |
---|---|---|---|---|
セ・リーグ | 2013 | W.バレンティン | 東京ヤクルトスワローズ | 60(歴代最高) |
パ・リーグ | 2001 | T.ローズ | 大阪近鉄バファローズ | 55 |
2002 | A.カブレラ | 西武ライオンズ | 55 |
最多打点(打点王)
歴代受賞者(過去10年)
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 所属球団 | 打点 | 選手名 | 所属球団 | 打点 | |
2016 | 筒香嘉智 | DeNA | 110 | 中田翔 | 日本ハム | 110 |
2017 | J.ロペス | DeNA | 105 | A.デスパイネ | ソフトバンク | 103 |
2018 | W.バレンティン | ヤクルト | 131 | 浅村栄斗 | 西武 | 127 |
2019 | N.ソト | DeNA | 108 | 中村剛也 | 西武 | 123 |
2020 | 岡本和真 | 巨人 | 97 | 中田翔 | 日本ハム | 108 |
2021 | 岡本和真 | 巨人 | 113 | 島内宏明 | 楽天 | 96 |
2022 | 村上宗隆 | ヤクルト | 134 | 山川穂高 | 西武 | 90 |
2023 | 牧秀悟 | DeNA | 103 | 近藤健介 | ソフトバンク | 87 |
2024 | 村上宗隆 | ヤクルト | 86 | 山川穂高 | ソフトバンク | 99 |
2025 | 佐藤輝明 | 阪神 | 102 | F.レイエス | 日本ハム | 90 |
過去最高記録
リーグ | 年度 | 選手名 | 所属球団 | 打点 |
---|---|---|---|---|
セ・リーグ | 1950 | 小鶴誠 | 松竹ロビンス | 161(歴代最高) |
パ・リーグ | 1985 | 落合博満 | ロッテオリオンズ | 146 |
最多安打
歴代受賞者(過去10年)
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 所属球団 | 安打数 | 選手名 | 所属球団 | 安打数 | |
2016 | 菊池涼介 | 広島 | 181 | 角中勝也 | ロッテ | 178 |
2017 | 丸佳浩 | 広島 | 171 | 秋山翔吾 | 西武 | 185 |
J.ロペス | DeNA | |||||
2018 | D.ビシエド | 中日 | 178 | 秋山翔吾 | 西武 | 195 |
2019 | 大島洋平 | 中日 | 174 | 秋山翔吾 | 西武 | 179 |
2020 | 大島洋平 | 中日 | 146 | 柳田悠岐 | ソフトバンク | 146 |
2021 | 近本光司 | 阪神 | 178 | 荻野貴司 | ロッテ | 169 |
2022 | 佐野恵太 | DeNA | 161 | 島内宏明 | 楽天 | 161 |
岡林勇希 | 中日 | |||||
2023 | 中野拓夢 | 阪神 | 164 | 柳田悠岐 | ソフトバンク | 163 |
牧秀悟 | DeNA | |||||
2024 | 長岡秀樹 | ヤクルト | 163 | 辰己涼介 | 楽天 | 158 |
2025 | 岡林勇希 | 中日 | 168 | 村林一輝 | 楽天 | 144 |
過去最高記録
リーグ | 年度 | 選手名 | 所属球団 | 安打数 |
---|---|---|---|---|
セ・リーグ | 2010 | M.マートン | 阪神タイガース | 214 |
パ・リーグ | 2015 | 秋山翔吾 | 埼玉西武ライオンズ | 216(歴代最高) |
最高出塁率
歴代受賞者(過去10年)
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 所属球団 | 出塁率 | 選手名 | 所属球団 | 出塁率 | |
2016 | 坂本勇人 | 巨人 | .433 | 柳田悠岐 | ソフトバンク | .446 |
2017 | 田中広輔 | 広島 | .398 | 柳田悠岐 | ソフトバンク | .426 |
2018 | 丸佳浩 | 広島 | .468 | 柳田悠岐 | ソフトバンク | .431 |
2019 | 鈴木誠也 | 広島 | .453 | 近藤健介 | 日本ハム | .422 |
2020 | 村上宗隆 | ヤクルト | .427 | 近藤健介 | 日本ハム | .465 |
2021 | 鈴木誠也 | 広島 | .433 | 吉田正尚 | オリックス | .429 |
2022 | 村上宗隆 | ヤクルト | .458 | 吉田正尚 | オリックス | .457 |
2023 | 大山悠輔 | 阪神 | .403 | 近藤健介 | ソフトバンク | .431 |
2024 | D.サンタナ | ヤクルト | .399 | 近藤健介 | ソフトバンク | .439 |
2025 | 小園海斗 | 広島 | .365 | 柳町達 | ソフトバンク | .384 |
過去最高記録
リーグ | 年度 | 選手名 | 所属球団 | 出塁率 |
---|---|---|---|---|
セ・リーグ | 1986 | R.バース | 阪神タイガース | .481 |
パ・リーグ | 1986 | 落合博満 | ロッテオリオンズ | .487(歴代最高) |
最多盗塁(盗塁王)
歴代受賞者(過去10年)
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 所属球団 | 盗塁数 | 選手名 | 所属球団 | 盗塁数 | |
2016 | 山田哲人 | ヤクルト | 30 | 糸井嘉男 | オリックス | 53 |
金子侑司 | 西武 | |||||
2017 | 田中広輔 | 広島 | 35 | 西川遥輝 | 日本ハム | 39 |
2018 | 山田哲人 | ヤクルト | 33 | 西川遥輝 | 日本ハム | 44 |
2019 | 近本光司 | 阪神 | 36 | 金子侑司 | 西武 | 41 |
2020 | 近本光司 | 阪神 | 31 | 周東佑京 | ソフトバンク | 50 |
2021 | 中野拓夢 | 阪神 | 30 | 源田壮亮 | 西武 | 24 |
荻野貴司 | ロッテ | |||||
和田康士朗 | ロッテ | |||||
西川遥輝 | 日本ハム | |||||
2022 | 近本光司 | 阪神 | 30 | 髙部瑛斗 | ロッテ | 44 |
2023 | 近本光司 | 阪神 | 28 | 小深田大翔 | 楽天 | 36 |
周東佑京 | ソフトバンク | |||||
2024 | 近本光司 | 阪神 | 19 | 周東佑京 | ソフトバンク | 41 |
2025 | 近本光司 | 阪神 | 32 | 周東佑京 | ソフトバンク | 35 |
過去最高記録
リーグ | 年度 | 選手名 | 所属球団 | 盗塁数 |
---|---|---|---|---|
セ・リーグ | 1983 | 松本匡史 | 読売ジャイアンツ | 76 |
パ・リーグ | 1972 | 福本豊 | 阪急ブレーブス | 106(歴代最高) |
三冠王達成者
年度 | リーグ | 選手名 | 所属球団 | 打率 | 本塁打 | 打点 |
---|---|---|---|---|---|---|
1938秋 | 日本野球連盟 | 中島治康 | 東京巨人軍 | .361 | 10 | 38 |
1965 | パ・リーグ | 野村克也 | 南海ホークス | .320 | 42 | 110 |
1973 | セ・リーグ | 王貞治 | 読売ジャイアンツ | .355 | 51 | 114 |
1974 | セ・リーグ | 王貞治 | 読売ジャイアンツ | .332 | 49 | 107 |
1982 | パ・リーグ | 落合博満 | ロッテオリオンズ | .325 | 32 | 99 |
1984 | パ・リーグ | ブーマー・ ウェルズ | 阪急ブレーブス | .355 | 37 | 130 |
1985 | セ・リーグ | ランディ・ バース | 阪神タイガース | .350 | 54 | 134 |
1985 | パ・リーグ | 落合博満 | ロッテオリオンズ | .367 | 52 | 146 |
1986 | セ・リーグ | ランディ・ バース | 阪神タイガース | .389 | 47 | 109 |
1986 | パ・リーグ | 落合博満 | ロッテオリオンズ | .360 | 50 | 116 |
2004 | パ・リーグ | 松中信彦 | 福岡ダイエーホークス | .358 | 44 | 120 |
2022 | セ・リーグ | 村上宗隆 | 東京ヤクルトスワローズ | .318 | 56 | 134 |
まとめ
今回は、野手が狙える主なタイトルについて以下を中心に紹介してきました!
- 野手部門のタイトル
- 歴代の受賞者
- 歴代最高記録
日本プロ野球の野手タイトルは、打撃・走塁・守備の技術を総合的に評価する重要な指標です。
首位打者や本塁打王、盗塁王といったタイトルは、ファンの注目を集めると同時に選手の評価や年俸にも直結します。
投手タイトルが防御率や勝利数など「抑える力」を競うのに対し、野手タイトルは「得点を生み出す力」を競う点が特徴です。
シーズンを通じた安定した成績や勝負強さが問われ、チームの勝敗にも大きな影響を与えます。
野手タイトルは、まさに打者の“勲章”と呼べる存在です。
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。
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