MLB(メジャーリーグ)で選手の去就に大きな影響を与える「DFA(Designated for Assignment)」という制度をご存じですか?
DFAは、メジャー球団が選手を40人枠から外すときに使われる制度です!
ウェーバーやトレード、マイナー降格、自由契約など、その後の選手の進路はさまざまです。
突然の移籍や戦力外のニュースの背景にも、このDFAが関係していることがあります。
本記事では、DFAの流れや仕組み、事例、日本の制度との違いまで詳しく解説していきます!
- MLBの「DFA」の概要
- DFAとなった選手例
- 日本との違い
DFAとは
概要
DFA(Designated for Assignment)とは、MLBにおける「40人ロースター(登録枠)から選手を外す手続き」のことです!
MLBでは各球団が最大40人のメジャー契約選手(40人枠)を保有できます。
この枠に入らなければ、選手は公式戦に出場できません。
新たな選手を加えたい場合や、ケガから復帰する選手を戻す際などに既存選手をDFAすることで40人枠を調整します。
DFAされた選手は、最長7日間の猶予期間内に以下のいずれかの処遇を受けます。
- ウェーバー公示を経て他球団へ移籍(元契約のまま)
- トレードによる放出
- マイナー契約への再編(拒否権あり)
- 自由契約(解雇)
DFAの主な理由には、以下が挙げられます。
- 有望な若手や新加入選手の登録枠確保
- 故障者リストからの復帰選手の再登録
- マイナー降格ができない選手(オプション切れ・拒否権保持)の処遇調整
DFAは必ずしも解雇や放出を目的としていないため単なる「戦力外(クビ)」ではなく、他球団でのチャンスや復活のきっかけにもなる制度です!

MLB独自の厳格なロースター管理を象徴する仕組みといえるでしょう。
DFAの流れと仕組み
DFAになった場合の流れと具体的な仕組みについて紹介します!
MLBで選手がDFAされると、球団は7日以内に今後の処遇を決める必要があります。
主な選択肢は以下の通りです。
- トレード
- 他球団と交渉が成立すれば、ウェーバーを経ずに移籍可能。
- MLB在籍が10年以上で且つ所属していたチームに5年以上在籍しているベテラン選手にはトレード拒否権がある場合も。
- ウェーバー公示
- 他球団に選手を獲得する権利を提示。
獲得希望球団があれば、契約を引き継いで移籍(優先順位は勝率の低い球団から)。 - 選手は移籍先球団の40人ロースター枠に加わる。
- 他球団に選手を獲得する権利を提示。
- ウェーバー通過後のマイナー降格
- トレードやウェーバー公示での獲得球団がなかった場合、元の球団が選手をマイナーに降格させることが可能。
- ただし、一定のメジャー在籍年数(MLS3年以上または過去に降格経験あり)を持つ選手は拒否してFAを選べる。
- 拒否権を行使しなかった場合でも、以降40人枠へ復帰できなかった選手は同シーズンオフにFAを選択できる。
- 自由契約(リリース)
- 球団がマイナー降格を希望しない、または選手が降格を拒否した場合、選手は自由契約となり、FAとして新たな所属先を探す。
- 引退
- 自由契約ではなく、引退を申し出ることもできる。
このようにDFAは、トレードやウェーバーを通じて移籍が決まるケースもあれば、マイナー降格やFAになるパターンもあります。
選手の契約状況やサービスタイムにより、その後の道が大きく分かれる点が特徴です。
DFAの事例
実際にDFAとなった選手の例について紹介します!
大物選手の事例
DFAは控え選手に限らず、時に実績あるスター選手にも適用されることがある厳しい制度です。
近年では、以下のようなケースが大きな話題となりました。
- マット・カーペンター(ヤンキース)
- 長年カージナルスで活躍してきたが、成績不振によりDFAに。
その後ヤンキースと契約し、見事復活を果たしました。
- 長年カージナルスで活躍してきたが、成績不振によりDFAに。
- ノマー・マザラ(パドレス)
- 将来を期待された強打者でしたが、打撃低迷によりDFAとなり、他球団へ移籍。
- アルバート・プホルス(エンゼルス)
- 通算600本塁打超えのレジェンドも、2021年にエンゼルスからDFA。
ドジャースを経て古巣カージナルスで現役を締めくくりました。
- 通算600本塁打超えのレジェンドも、2021年にエンゼルスからDFA。
DFAから復活した事例
DFAが再起のきっかけになることもあります!
- ジャスティン・ターナー
- メッツからDFA後、ドジャースに拾われて大ブレイク。
以後、チームの中心選手として活躍しました。
- メッツからDFA後、ドジャースに拾われて大ブレイク。
- マックス・マンシー
- アスレチックスからDFAされた後、ドジャースで覚醒。
以後、30本塁打を超える主軸打者に成長しました。
- アスレチックスからDFAされた後、ドジャースで覚醒。
日本人選手の事例
- 筒香嘉智(2021年・レイズ → ドジャース → パイレーツ)
- 2021年5月:レイズで成績不振によりDFA
→ ドジャースに移籍するも再びDFA
→ パイレーツが獲得しメジャー昇格
- 2021年5月:レイズで成績不振によりDFA
- 秋山翔吾(2022年・レッズ)
- メジャー2年目の2022年春、レッズでのロスター争いに敗れDFA
- トレードも成立せず、FAへ → 日本復帰(広島)
- 40人枠に空きがない中での契約調整でシーズン前にDFAとなり、本人がメジャー残留を希望したものの、獲得球団が現れず帰国となりました。
- 山口俊(2020年・ブルージェイズ)
- トロント・ブルージェイズと契約するも、メジャーでの登板機会が少なく、2021年春にDFA
- ウェーバーを通過したのち、自由契約となり日本球界(巨人)へ復帰。

2025年にはデトロイト・タイガースの前田健太選手もDFAとなりました。
日本との違い
MLBのDFAは、主に40人ロースターの調整手段であり、契約解除の前段階です!
これに対し、NPB(日本プロ野球)にはDFAに相当する制度は存在しません!
主な違いについては以下のとおりです。
制度 | MLB | 日本(NPB) |
---|---|---|
登録枠 | 40人ロースター | 1軍・2軍登録(制限人数あり) |
DFA制度 | あり (最大7日間) | なし (戦力外 or 登録抹消が近い制度) |
ウェーバー制度 | トレード・放出の一手段 | ウェーバー公示あり(頻度は少ない) |
戦力外通告 | DFA → 処遇決定 (複数プロセスあり) | 戦力外通告 → 自由契約・引退勧告 |
日本では1度抹消されると10日間再登録できないルールもあり、頻繁な選手の入れ替えがしづらい点も異なります。
MLBのDFA制度は、より流動性の高いロースター運用が可能となっているのが特徴です。
まとめ
今回は、MLBのDFA(Designated for Assignment)について以下を中心に紹介してきました!
- MLBの「DFA」の概要
- DFAとなった選手例
- 日本との違い
MLBにおけるDFA(Designated for Assignment)は、ロースター整理の一環です!
選手にとってはトレード・ウェーバー・マイナー降格・FAといった複数の選択肢が発生する重要な局面でもあります。
DFAの仕組みや流れを理解することで、選手のキャリアや移籍の背景を知ることができるでしょう。
日本プロ野球との違いにも注目しながら、今後もDFAに関する動向をチェックしていきましょう。
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。
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