クライマックスシリーズ(CS)は日本シリーズ進出をかけた短期決戦であり、レギュラーシーズンとは一味違う緊張感と戦略が魅力です!
短期決戦ならではの継投や選手起用、レギュラーシーズン下位チームが上位チームを倒す“下剋上”など見どころも豊富です!
本記事では、2つのステージが用意されているクライマックスシリーズの仕組みとルールについて解説していきます!
- クライマックスシリーズの仕組み・ルール
- 注目ポイント
クライマックスシリーズとは
概要
クライマックスシリーズ(CS)は、プロ野球のレギュラーシーズン終了後に行われる短期決戦です!
日本シリーズ出場チームを決定するためにトーナメント方式のプレーオフ制度として開催されます!
セ・リーグとパ・リーグそれぞれの上位3チームが出場します。
トーナメントは2位と3位が対戦するファーストステージ、1位とファーストステージ勝者が対戦するファイナルステージの2段階で実施されます。
ファイナルステージでは1位チームに1勝のアドバンテージが与えられます。
導入背景
クライマックスシリーズは、もともと消化試合の減少と興行面の活性化を目的に、2004年にパ・リーグで「プレーオフ」として導入されました。
このプレーオフが興行的成功を収めたことから、2007年よりセ・リーグにも導入され、名称も現在の「クライマックスシリーズ」となり定着しました。
これにより、シーズン終盤までクライマックスシリーズ進出争いが激化し、球界全体の盛り上がりにも寄与しています。

2020年シーズンは新型コロナウイルスの影響で、セ・リーグは中止、パ・リーグは1位チームと2位チームのみでの短縮開催となりました。
クライマックスシリーズの仕組みとルール
クライマックスシリーズの仕組みとルールについて紹介します!
ステージの構成と各ステージのルール
クライマックスシリーズは、ファーストステージとファイナルステージの2段階から成るトーナメント方式です!
各リーグの上位3球団(1位~3位)が出場し、日本シリーズ進出を懸けて戦います。
- ファーストステージ
- 出場チーム:リーグ2位 vs 3位
- 試合数:最大3試合
- 勝ち抜け条件:先に2勝したチームがファイナルステージ進出
- 引き分けの扱い:1勝1敗1分または3引き分けの場合、レギュラーシーズン2位が勝ち抜け
- ファイナルステージ
- 出場チーム:ファーストステージ勝者 vs リーグ1位
- 試合数:最大6試合(1勝アドバンテージ込みで最大7戦相当)
- 勝ち抜け条件:先に4勝(アドバンテージ1勝含む)
- 引き分けの扱い:勝利数が同じ場合、レギュラーシーズン1位が勝ち抜け
- ファーストステージ:2位チームは全試合をホームで行い、引き分けでも勝ち抜けになる条件がある
- ファイナルステージ:1位チームに1勝のアドバンテージが与えられ、すべての試合をホームで開催、引き分けでも勝ち抜けになる条件がある
開催要項
クライマックスシリーズの試合に関するルールは以下のとおりです!
- 開催時期:レギュラーシーズン終了直後から順次開催
- 試合会場:すべて上位チーム(2位または1位)の本拠地球場で実施
- 予備日:ファーストステージ1日、ファイナルステージ2日間のみ
- 雨天決行の可能性あり:日程に余裕がないため、小雨でも試合を強行することがある
- 予告先発:両リーグで採用。ただし、セ・リーグは試合前発表、パ・リーグは試合終了後発表と異なる
各種ルール・表彰
その他のルールや各表彰については以下のとおりです!
- 延長戦・引き分けルール
- 延長は最大12回まで
- 同点の場合は引き分け扱い
- 特殊ケースとして、後攻チーム(上位チーム)が引き分けでも勝ち抜けが確定する場合、12回裏を行わずコールドゲームで終了することがある
- 出場登録・ベンチ入り人数
- レギュラーシーズンと同様に、29人まで出場選手登録ができ、その中から25人までベンチ入りできる
- 支配下登録されていることが前提
- ファイナルステージ勝者=クライマックスシリーズ優勝チームとなり、日本シリーズへの出場権を獲得し、優勝旗が贈呈される。
- MVP:優勝チームで最も活躍した選手が表彰される。

3位チームがCSを勝ち上がって日本シリーズに進出することを下克上と言われており、過去にも複数回実現しています!
(2010年 ロッテ、2017年・2024年 DeNA)
注目ポイント
クライマックスシリーズの注目ポイントを紹介します!
- 短期決戦ならではの大胆な采配
- 早めの継投(先発が好投でも疲れが見えてきたら早めに交代)
- 調子が悪い選手は序盤でも交代し、流れが良くなるような采配が取れれる
- シーズン中とは異なる“勝ちに徹した”戦術が展開される
- 勢いと試合間隔の影響
- 上位チームは日程のブランクにより試合勘が鈍る可能性がある
- 下位チームはファーストステージを突破した勢いそのままにCS突破もある
- 「勢いの差」が勝敗を左右するケースも少なくない
- ラッキーボーイの出現に注目
- シーズンでは目立たなかった選手が活躍するケースあり
- 短期決戦ならではの“ヒーロー”が生まれやすい
- 意外な選手の一打や好守が試合を決めることもあります
クライマックスシリーズは短期決戦のため、1試合ごとの重要度が高く大胆な判断が求められます!
また、試合勘のブランクや勢いの差が影響するケースもあり、流れをどうつかむかがカギです。

短期決戦に強い選手・苦手とする選手がフォーカスされやすいです。
過去の成績
クライマックスシリーズの過去の成績について紹介します! ※2024年までの成績
【過去5年のクライマックスシリーズ優勝チームとMVP】
※チーム名に続く括弧内はレギュラーシーズンの順位
年度 | セ・リーグ | MVP | パ・リーグ | MVP |
---|---|---|---|---|
2024 | 横浜DeNA (3位) | 戸柱恭孝 (DeNA) | ソフトバンク (1位) | 山川穂高 (ソフトバンク) |
2023 | 阪神 (1位) | 木浪聖也 (阪神) | オリックス (1位) | 杉本裕太郎 (オリックス) |
2022 | ヤクルト (1位) | J.オスナ (ヤクルト) | オリックス (1位) | 吉田正尚 (オリックス) |
2021 | ヤクルト (1位) | 奥川恭伸 (ヤクルト) | オリックス (1位) | 杉本裕太郎 (オリックス) |
2020 | 開催中止 | 表彰無し | ソフトバンク (1位) | 中村晃 (ソフトバンク) |
【レギュラーシーズン順位ごとのクライマックスシリーズ優勝回数】
順位 | セ・リーグ | パ・リーグ |
---|---|---|
1位 | 13回 | 15回 |
2位 | 2回 | 2回 |
3位 | 2回 | 1回 |

やはり1位チームが最も多くクライマックスシリーズを制しています!
まとめ
今回は、クライマックスシリーズについて以下を中心に紹介してきました!
- クライマックスシリーズの仕組み・ルール
- 注目ポイント
クライマックスシリーズは、エンタメ性や興行面では大きな成功を収めている一方、スポーツとしての「公平性」や「レギュラーシーズンの意義」を巡っては、今も議論が続いています。
- 賛成意見
- 消化試合の減少:レギュラーシーズン終盤も順位争いが白熱し、最後まで見どころがある
- ファンの関心維持:3位争いやクライマックスシリーズ自体が盛り上がる要因に
- 興行面での貢献:観客動員やメディア露出が増え、球界全体の盛り上がりに貢献
- 下剋上のドラマ性:2010年の千葉ロッテ(3位→日本一)のようなストーリーが話題に
- 反対意見
- レギュラーシーズンの価値低下:1位チームの長期的な努力が数試合で覆るリスク
- 大差があってもCS進出可:勝率5割未満の3位チームが日本シリーズへ進出する例もあり得る
- 公平性の問題:実力差が大きいにもかかわらず、短期決戦で一発逆転が起きる構造に疑問
クライマックスシリーズの要否について度々議論が行われており、仕組みの変更などが今後行われるかもしれません。
レギュラーシーズン最終盤にどのチームがクライマックスシリーズ進出争いを繰り広げるのか、日本シリーズへの出場権を手にするのはどのチームか注目しましょう!
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。
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