MLBの「クオリファイング・オファー(QO)」は、FA市場の動向を大きく左右する重要な制度として注目されています!
オフシーズンになると、QOの提示や受諾の可否が選手評価と契約額に直結し、ファンやメディアの関心が高まります。
本記事では、クオリファイング・オファーの仕組みやメリットについてわかりやすく解説していきます!
- クオリファイング・オファー(QO)の仕組み
- メリット・デメリット
クオリファイング・オファー(QO)とは
概要
MLBのクオリファイング・オファー(QO)とは、FA選手に対して元所属球団が提示できる規定額の1年契約のオファーことです!
規定額は、上位125選手の平均年俸で算出されます!

2025年オフは約2,202万ドル(約34億円)が提示額でした。
選手はオファーを受諾すれば1年契約で残留、拒否すればFA市場へ出る仕組みです。
QOは選手キャリアの中で一度しか受けられない点も特徴です。
導入背景
QOは2012年に補償制度改革として導入され、FA流出時に球団へ補償としてドラフト指名権が入るよう設計されました!
ワールドシリーズ終了後5日間のみ所属球団が独占交渉でき、その期間にQOを提示するかを判断します。
QO制度自体は球団側・選手側に以下のようなメリットがあります!
- 球団側のメリット
- 主力選手が流出してもドラフト指名権という見返りを確保
- 高額単年契約で残留の可能性をキープ
- 選手側のメリット
- 市場価値に近い高額年俸を単年で保証
- 長期契約を狙うか、安全な高額1年契約を選ぶか柔軟に判断可能

2025年は13人の選手にQOが提示され、4選手が受諾しました。
クオリファイング・オファー(QO)の仕組み
対象選手と提示条件
- 同一球団で シーズンを通してプレーしたFA選手
- シーズン途中の移籍選手は対象外
- 過去に一度でもQOを受けた選手は対象外
- 球団が提示できるのは、ワールドシリーズ終了から5日以内
このため、QOを提示される選手は「残留してもらいたい」と球団が判断した主力級が中心となります!
提示額の算出方法
提示額は「直近シーズンのMLB年俸上位125人の平均額」となります!
提示額は年々高騰しており、2025年オフのQO金額は約2,202万ドル(約34億円)でした!
高額なため、提示される選手数も限られ、受諾者は制度開始以来多くはありません。

球団から求められている選手であれば、後の交渉で提示額を超える条件を引き出せる可能性があるためです。
QO提示から受諾・拒否までの流れ
- ステップ1QO提示
球団が対象選手にQOを提示(ワールドシリーズ終了から5日以内)
- ステップ2受諾・拒否の判断
提示から10日以内に選手は判断
- ステップ3判断後
- 受諾 → 1年契約で残留が確定
- 拒否 → FA市場へ移行し、全30球団と交渉可能

拒否後でも、元球団との再契約は自由で、条件を変えた複数年契約を結ぶケースもあります。
拒否・受諾による状況変化
- 受諾のケース
- 1年の高額契約が保証される
- 怪我リスクが高い投手や市場が冷えた年に受諾が増える傾向
- 拒否のケース
- FA市場で複数年・大型契約を狙える
- 他球団と契約が成立すると
→ 元球団にはドラフト指名権の補償
→ 獲得球団はドラフト指名権喪失のペナルティ
QOを拒否すると指名権補償が発生するため、他球団が獲得を躊躇するケースもあり、市場での契約交渉に大きな影響を与えます。

2012年の制度導入以降、受諾した選手は、2025年オフに日本人初の受諾者となったカブスの今永昇太選手を含めて18人です(2025/11/19日時点)。
QOに伴う補償・ペナルティ
QOに伴うドラフト指名権の補償には「ぜいたく税(CBT)」による基準が関わってきます!
ぜいたく税を超えた球団ほど補償されるドラフト順位は下がり、市場規模の小さい球団ほどドラフト高位の補償を得やすい仕組みになっています。
QOに伴うドラフト指名権補償の発生条件(元球団)
QOを提示された選手が ①拒否してFAとなり、②他球団と契約した場合にのみ、元球団へドラフト指名権の補償が与えられます!
補償は以下の3分類で変動します。
- ぜいたく税超過球団
- ドラフト4巡目後の指名権を獲得
- 収益分配受給球団
- 契約額 5,000万ドル以上:ドラフト1巡目と戦力均衡ラウンドAの間の指名権を獲得
- 契約額 5,000万ドル未満:ドラフト2巡目後に行われる戦力均衡ラウンドBの後の指名権を獲得
- その他球団
- ドラフト2巡目後に行われる戦力均衡ラウンドBの後の指名権を獲得
獲得球団が失う指名権
QO拒否選手を獲得した球団には以下のペナルティが発生します!
- ぜいたく税超過球団
- ドラフトで2番目+5番目の指名権喪失
- 国際ボーナスプール:100万ドル減額
- QOを拒否した複数のFA選手と契約した場合、3番目と6番目に高い指名権も没収
- 収益分配受給球団
- ドラフトで3番目の指名権喪失
- QOを拒否した複数のFA選手と契約した場合、4番目に高い指名権も没収
- その他球団
- ドラフトで2番目の指名権喪失
- 国際ボーナスプール:50万ドル減額
- QOを拒否した複数のFA選手と契約した場合、3番目に高い指名権も没収

この補償・ペナルティにより、即戦力補強の代わりに将来のドラフト資産が削られる痛手が生じます。
QOのメリット・デメリット
QOを受諾するメリット・デメリット
QOを拒否するメリット・デメリット
日本人選手の事例
日本人選手のQO関連の事例を紹介します!
- 今永昇太選手(シカゴ・カブス)
- 2024〜25年の54先発で防御率3.28、K/BB 5.39と安定した成績を記録。
- しかし、カブスは2025年終了時に3年5700万ドル(約94億円)の球団の契約延長権を行使せず。
- 今永選手も1500万ドル(約24億7000万円)の選手の契約延長権を破棄し、FAに。
- 最終的にはQOを受諾し、再びカブスに戻ることとなりました!
- 大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンゼルス)
- 2023年オフにFAとなった大谷選手はエンゼルスからのQO提示(1年:2032万5000ドル(約30億5000万円))を拒否。
- 大谷選手はFA市場で最大の目玉選手であり、他球団との大型契約が見込まれたことやポストシーズンへの進出を求めていたことなどが理由として挙げられます。
- 最終的には、ロサンゼルス・ドジャースと10年総額7億ドル(約1,015億円)といわれる当時スポーツ史上最高額となる契約を結びました。
まとめ
今回は、MLBの「クオリファイング・オファー(QO)」について以下を中心に紹介してきました!
- クオリファイング・オファー(QO)の仕組み
- メリット・デメリット
MLBのクオリファイング・オファー(QO)は、FA選手の残留と補償の双方を意識した重要な制度として位置づけられています。
QOを拒否して大型契約を勝ち取る例も多く、選手の判断はキャリア戦略に直結します。
制度の動向を理解することで、FA市場の流れや選手評価をより深く読み解くことができます。
本記事を最後までお読みいただきありがとうございました。



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